AliExpress で最小表示が0.001g(1mg)、最大計量重量100gの秤が1,556円で売っていたのでつい、買ってしまいました。
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注文
AliExpress で見つけたのは説明通りなら、100g まで量れるにもかかわらず、最小表示が0.001g (1mg)という品。 10 万分の1 の分解能を有するものです。
普通に最小表示1mg の天秤を買ったら数万円はするので超格安。
同じような見た目でも若干デザインが違うもの等数種類ありました。
最大測定重量が50g以下のものなら更に種類がありました。
今回購入したのは送料含め¥1,556 のこの品。
国内でも楽天やAmazon で見た目同じような商品が売っている模様。
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開封
注文して2 週間くらいでやってきました。
内容物は
- 秤 本体 風除けカバー付き
- 計量皿
- ピンセット (プラスチック製)
- 校正用分銅 (100g)
- 取扱い説明書 (英語)
秤は手のひらに乗るサイズ。
電源は単四電池(AAA)2本を別に用意する必要があります。
校正
秤は設置する場所の重力加速度に合わせて校正しないと正確に測定できません。 そして重力加速度は赤道に近い程小さく、南北極に近い程大きくなります。 例えば、日本国内でも北海道と沖縄では0.15%程違います。
また標高によっても重力加速度は変わります。 例えば高度3,776mの富士山頂では東京よりおよそ0.09% 重力加速度が小さくなります。
日本国内で一般向けに売られている秤は、販売する地域に合わせた設定になっているか、購入後に地域を設定することで正確な値を出せるようにします。 取引に使う秤(検定付きはかり)は使う地域が決められていて、たとえばお店を東京から北海道に引っ越したから、秤もそのまま持って行って使うということはできません。
ですので、中国から買った秤は日本国内でそのまま使っても正しい値は出ません。 ましてや10万分の1 の分解能の秤です。
秤を校正するには分銅を使います。 今回購入した秤には100gの校正用分銅がついています(このお値段で校正用分銅までついているなんて!)。 でもこの分銅が正確に100gでなければ校正する意味がありません。
精度が保証された分銅は、100gで±1mg以内の精度のものであれば1万円はします。 なので1556円の秤についてきた分銅にとてもそんな精度は見込めないと思っていました。
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校正証明付きだと これくらいの価格 | 証明書無しだとこれくらい |
校正用分銅の重さ
秤についてきた校正用分銅の重さを、最小表示0.0001g(0.1mg)精度±0.2mg の精密天秤を使わせてもらいに行って量ってみました。
結果は、何と100.0010g。100g で僅か+1mgのズレ。 驚きの精度です。
欲を言えば秤の分解能が1mgですので分銅の精度は±0.5mg 欲しいところですが、このお値段のものとしては十分以上の精度です。
校正作業
取説(英語)に従って、100g の校正用分銅を使って校正しました。
測定
硬貨の重さ
とりあえず、定番の1 円玉を量ってみました。
結果は0.999g。 1円玉10枚載せてみると10.001g。
お財布の中に入っていた、傷だらけの1円玉なのにほぼピッタリ1g。
他の硬貨も量ってみました。
1円玉 | 5円玉 | 10円玉 | 50円玉 | 100円玉 | 500円玉 | |
量目 | 1g | 3.75g | 4.5g | 4g | 4.8g | 7g |
測定値 | 0.999g | 3.707g | 4.535g | 3.998g | 4.800g | 6.999g |
1.000g | 3.721g | 4.477g | 3.971g | 4.780g | 6.962g | |
1.000g | 3.735g | 4.499g | 4.000g | 4.764g | 7.000g | |
1.000g | 3.755g | 4.509g | 4.761g | |||
0.998g | 3.726g | 4.512g | 4.794g |
1円玉の精度は抜群に良いです。 他の硬貨は多少バラつきがありました。
因みに、造幣局で行われる貨幣大試験では製造された貨幣1,000枚(1円玉は100枚)の重さを量りますが、近年の測定結果を見ると殆ど誤差1g以内になっています。
1円玉以外の結果にバラつきが出たのは、流通の過程で錆びたりして重さが変わったと思われます。 アルミでできた1円玉は殆ど錆びないので古い硬貨でも重さが変わらなかったのでは。
色々量ってみた
機能
風袋引き
風袋引き機能は試料を載せる皿等(風袋)の重さを予め引いておく機能です。
風袋を載せた状態で右上の[T]ボタンを押すと、表示が0.000になります。
g以外の表示単位
g以外の重量単位でも表示できます。表示できる単位はオンス(oz)、ペニーウェイト(dwt)、カラット(ct)、グレーン(gn)、テール(tl)があります。
左下の[M] ボタンを押すごとに順番に表示単位が変わります。
計数(PCS)
(ほぼ)同じ重さのものの数を計測するときに使う機能です。
最初に25個(又は50,75,100個)の重さを覚えさせておくと、計量した個数が表示されます。
感想
使ってみた感想は、思いの外使えるということです。
正直、この値段なので、一番下の数字が安定せずブレ動いたり、量る度に値が変わったり、ドリフトしたりするのではと思っていました。
校正用分銅も外観は打痕があったりしてさすが中華クオリティなどと思っていましたが、実際には想像以上の精度で作られていました。
ポケットに入る大きさなので、どこにでも持って行って直ぐに測れる手軽さがあります。 巻尺を持ち歩くような感覚で持ち歩いて、出先でちょっと重さを量ってみたりすることもできるし、持ち運んで壊れたとしても1500円程なので、まあ、しょうがないな、で済みます。
バイオや化学をやっている人なら、狭いグローブボックスの中に入れても邪魔にならず試薬等の秤量をできるかもしれません。
箱には”PROFESSIONAL DIGITAL JEWELRY SCALE”とプリントされていて、宝石の重さを量るのに使うことを想定されているようなのですが、宝石なぞとは無縁の人生でして。
あと、”PROFESSIONAL”と書かれているといっても、日本国内では法的に売買取引には使えません。 取引に使う秤は計量法によって検定付きはかりの使用が定められています。
一応念のため
記事の内容は今回購入した一製品についての記録で、同じ(又は類似)製品全てが記事に記載の性能を有することを保証するものではありません。
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